株式会社アリアファーム

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ネットショッピングモール出店詐欺

      2015/02/04

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悪質商法といえば、一般消費者やお年寄りといった社会的弱者を標的にしたものというイメージがありますが、最近ではそうでもないんです。ネットショップを運営していると、ほぼ毎日といっていいほど彼らから電話がかかってくる。もちろん電話をかけてくる業者のほとんどは真っ当にビジネスを展開しているのですが、その中に真っ当な業者の仮面をかぶった詐欺師が相当数紛れ込んでいます。その中のひとつが、「ネットショッピングモール出店詐欺」なのです。

photo credit: Zabowski via photopin cc

 

ネットショッピングモール出店詐欺とは

最近特に増えているこの手の詐欺師。かんたんに説明すると、新たにオープンした話題のネットショッピングモールに御社の商材を出品してみませんか?とアプローチをかけ、その気になった出店者から初期費用や月額費用を半年〜1年分前払いさせて、10万程度のお金を受け取ってあとは知らん顔、というもの。お金をだまし取った後も、詐欺で立件できないように巧妙な顧客対応を続け、モール自体の更新だけは続けるという手の込みよう。悪質商法と呼ぶには生ぬるい、詐欺そのものだと私は思っています。

運用実態があるかのように見せかけているショッピングモールを運営

私が把握しているのはファッション系の自称ショッピングモールばかりですが、出品商品数が数えられる程度、レビュー機能もないハリボテショッピングモール。こんなショッピングモールを紹介されて、なぜホイホイと出店に同意してしまうのか理解に苦しみますが、それについては巧妙に射幸心を煽るセールストーク(後述)があるようです。なんにしても、「出来たてのショッピングモールだからしょうがない」という浅い理解で安々と出店費用を出してしまう人が続出しているのは本当に謎ですね。

小規模事業主や個人の出品者をターゲットにしている

ある程度の規模の企業だと、しっかり出店前に精査してから回答するところがほとんどであろうし、無名のモールには簡単に手をださないので、最初から詐欺師のターゲットに入っていないものと思われます。まあ、要は、零細企業や個人は「騙されやすい人が多いだろ?」ってナメられてるんですよね。ウチにもかかってきますけど、ナメられたもんですね。

雑誌などの媒体とタイアップしていることをチラつかせる

「できたばかりまたはこれから展開していくショッピングモール」という設定が多いのですが、そんなリスキーなショッピングモールでも、出店者をその気にさせてしまうセールストークがあります。それは、ファッションモデルの人気ブログや、雑誌などとのタイアップを強調するのです。ファッション系のネットショップを展開していると喉から手が出るほどほしいものが、雑誌での特集やモデルとのタイアップです。知名度の高いモデルが着用しているアイテムや雑誌で特集されたアイテムは、販売数が桁違いに伸びます。しかしタイアップには通常の広告とは比べ物にならない費用がかかるので、小規模なお店にはとても手が出せません。それを「弊社が責任をもってタイアップのプロモーションを行います」などと甘言をして、出店者をその気にさせるのです。もちろん雑誌名やプロダクション名を無断で使用している場合が多いのですが、実際に実在のファッション誌や、モデル事務所と提携している場合もあり、これが詐欺だと見抜くのを困難にしているひとつの要因でもあります。出店者にしてみれば、「出店費用さえ払えば(自称)モール側がタイアップ広告を打ってくれるので、それで商品が売れれば出店費用など数ヶ月でペイできるだろう」と考えてしまうのでしょうね。

搾取する費用は10万円前後

EC市場は破竹の勢いで伸びていますが、最近ではそれ以上にネットショップが増えすぎて一店舗あたりの売上自体は下がっているものと推測できます。ネットショップをターゲットにした悪質商法は、かなり前からありましたが、一昔前の相場は初期費用30万くらいでしたかね。今現在よく聞く、ネットショップ向けの悪質商法の相場は10万程度が多いです。普通のあまり儲かっていない小規模なネットショップが、「う〜ん。頑張れば出せるんだけどぉ・・・・」というギリギリ悩むラインが10万くらいというところでしょうか。ギャンブルするのに、出せないこともないけどこの金額は痛い、という絶妙な金額かもしれません(笑)

オマケ:電話は基本「上から」らしい(笑)

私のところに実際に電話を掛けてきたR社は、真矢みきさんのようなよく通るいい声で、確かに「上から」でした。悪質商法全般の特徴ですが、「今だけ」「あなただけに」「お得なチャンス」の3点セット。「別にあなたのお店じゃなくてもいいのよ?他にも出店したい人がたくさんいるんだから」みたいなスタンスで、相手を「え?いやいやちょっと待って、えー迷う!」という心理状態に陥らせる。騙されない自信のある私でも、正直、「ひょっとしたら実はまともな話なのかも・・・。」と一瞬モヤモヤしたくらいです(笑) 彼らは目盛りの振り切れている百戦錬磨の詐欺師なので、良心というものが皆無です。ちょっと事業をかじったくらいのシャバ憎など、お手のものなんでしょうね。

 

詐欺を回避するほんの少しの努力を

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photo credit: kenteegardin via photopin cc

事業者に厳しい消費者センターもあてにならないですし、司法がこの問題に動いていない以上、具体的なサイト名やURLなどの事例を挙げられないのが残念ですが、今回のこの事例に限って言えば、ツッコミどころだらけなんですよね。それだけで信頼に足る業者なのか判断が付くというのに、ほんの少しの努力を怠ったせいで、せっかく苦労して手に入れた売上をこのような詐欺師たちに労せず持っていかれるのはいかがなものかと思います。

当社に電話をかけてきたR社の事例です。ざっと思いつく限りでも以下のような不自然な点がありました。

出品数が少なすぎる

まず、出店しないかと言われて案内されたサイトは、ほとんど商品が出品されていなかったのです。これだけでも出店する価値の無いショッピングモールだと判断するべきだと思います。売り物がない商店街にお客さんは来ません。通常であれば新規オープンのショッピングモールであれば、期間限定であったとしても初期費用などは無料で出店者を集め、出品商品数を稼ごうとするのがセオリーでしょう。まして、楽天市場やヤフーショッピングなどの大手が独占している市場なので、買い物客が集まらなければショッピングモール自体の運営もままならなくなります。出品数が少ないにもかかわらず出店者から高額な初期費用を取ろうとするのは、まともな運営方法ではないと言わざるを得ません。

電話をしても社名を名乗らない

こちらから電話した時に、「はい、お電話ありがとうございます」としか言わず、社名を名乗りませんでした。ここから予測できるのは、同じ電話番号をたくさんの社名で使いまわしているということ。会社にとって社名はブランドです。たくさんの社名を使い分ける必要があるということは、問題が起こった時や、その社名に黒い噂がネットに書き込まれたりしたときに、いつでも変えることができるようにしているということです。

R社からの電話の際、受話器越しにオフィスの電話の音や人の声が聞こえます。それはオフィスなら当然のことなのですが、このR社の場合、よく聞くとネットで無料公開されているオフィスのBGM音源なんですよね。電話の音や話し声、足音などをサンプリングし、音源素材として公開されたものがネットを探せば手に入る。つまり、オフィスではない室内で、あたかも忙しいオフィスの中から電話をしているように偽装するため、パソコンなどでこの音源素材を流していると思われます。1分程度の音源素材なので、1分以上電話で話すと、必然的に同じ環境音がループで流れます。私は昔から耳が良いので、同じ環境音を2回聞くと違和感を感じます。そして3ループ目で、2ループ目の雑音のパターンとまったく同じことに気づきます(笑)

「今だけ」「あなただけ」と入金を急かす

この手の詐欺や悪質商法は、「あなただけが選ばれた幸運な人」というセールストークを多用します。また、「締め切りが近い」「他にもやりたい人がいる」などと、入金を急かします。このR社も例外ではなく、「いろいろなショップを見て御社に決めた」などと煽っていました。

こういった不自然かつ不合理な点が多々あるにも関わらず、騙される人は騙されてしまいます。登記があるかどうかなんて調べなくても、ネット検索するとすぐにボロが出ますし、こちらから電話をかけた時の対応や反応で、まともな会社との違いも歴然とします。ほんの少しの事前調査をするだけで詐欺にあうのを回避できるのに、そのほんの少しの努力を怠ってしまうからお金をドブに捨ててしまうのです。不透明な怪しいものに大切なお金を出さないことです。最低でも電話番号でググる、会社名でググる、などの手順は踏みましょう。会社名は、検索結果に埋もれやすい「ありきたりな」会社名であることが多いので、「会社名 詐欺」「会社名 騙された」などの検索ワードがオススメです。騙されたり不安になった人の声がたくさん検索結果にヒットしますよ。ヒットしなければ大丈夫というわけではありませんので(あなたが第一の被害者になるかもしれません)、ひとつひとつ丁寧に裏を取って、慎重に判断してください。

第一印象はだいたい正しい

人間のカンって、今までの人生の経験から脳が警告するものなので、意外と当たってたりする。第一印象で「怪しい」と思った業者って、やっぱりどこかおかしいんですよ。私の場合、怪しいと思っても、話のネタにしたりブログネタにできるので、その話に食いついたフリをしていろいろな突っ込みどころを探すという悪い癖があるので、ある意味詐欺師泣かせなのかもしれません(笑)

 

騙されてしまった人たちのその後

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photo credit: jumfer via photopin cc

あるサイト( http://net-de-seikou.com/board/ )の被害者の声を転載させていただきます。会社名などは伏せ字にしています。

株式会社○○の☓☓を名乗る。
最近は**********を騙って詐欺行為。
モールの運営会社であるように電話をしてきて6カ月契約の前払いと称し10万円近くのお金を振り込ませる。
しかしモールの運営は全くのでたらめであり商品登録シートをメールで送ってくるがこれもでたらめ。
会社の住所はどこかのマンションとかショッピングモールになってました。
皆さん○○とは絶対契約しないように。

12/3に○○からメールが届きましたが、
その後も連絡無いです。
「この度は、ご掲載準備がお幅に遅延をしてしまい、
各企業様に多大なご迷惑をお掛け致しまして、
大変に申し訳ございません。
大変にお待たせ致しましたが、
広告・運営会社の一新とサイトリニューアルを行い、
新たにスタートを切らせて頂きました通販サイト、
【△△】が11月30日からオープンをさせて頂きました。

私も同じです。
ただ、連絡だけは帰ってきますし、電話もつながります。
最終連絡は1/16です。
1/24までにIDとパスワードを送りますとのことでしたが、結局期限は守りませんね(`・ω・´)

こちらの担当者は□□です。
新手の詐欺なんですかね?

法務局で登記簿謄本見ようとしたけど会社が見つからない。
ちゃんと登記してる会社なのかな?

 

騙された人たちは悪くないです。騙した人のほうが悪いんです。でも防ぐことはできたはずなんですよね。
とても残念です。

 

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